2010年03月05日
ハート・ロッカー
現在発売中のCOMBATマガジン、「シネマノート」用に書いた原稿でございます。
8割がた書き上げた所で他のページで先輩のライターさんが大きな特集を行う、との情報が入りましたので、「シネマノート」は急遽別の作品に差し替えた次第です。
せっかく書いたのでここで発表。本作『ハート・ロッカー』は今週末<3.6 sat>から公開です。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
永遠を思わせる戦場。
刹那を生きる男たち―――。
ハート・ロッカー
<作品DATA>
監督:キャスリーン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース
2008年/アメリカ映画/131分/原題:『THE HURT LOCKER』/配給:ブロードメディア・スタジオ
●3月6日(土)よりTOHOシネマズほかにて全国公開
http://www.hurtlocker.jp/
<STORY>
2004年夏。イラク、バグダッド郊外。アメリカ軍・爆発物処理班ブラボー中隊は、その日も市街に仕掛けられた爆弾の処理を行っていたが、退避しようとした瞬間に爆発が起き、リーダーの軍曹が殉職してしまう。
任務明けまであと38日を残したブラボー中隊新リーダーに就任したウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)はこれまでに873個の爆発物を処理しているというベテランだったが、基本的な安全対策も行なわず、死に対する恐れが全くないかのように振舞う。補佐に付くJ.T.サンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とオーウェン・エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は、一瞬のミスでいつ死ぬかもしれない緊張感をますます高め、ジェームズへの不信を募らせていく。
ジェームズは、虚勢を張るだけの命知らずなのか? それとも勇敢なプロフェッショナルなのか? そんな男たちの想いとは無関係に、激しい戦闘行為が繰り返される日常は続き、爆弾処理の毎日が過ぎていく。地獄の炎天下、姿なき敵との壮絶な死闘は続く――。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
<解説>
世界で最も危険な仕事=アメリカ軍の爆発物処理班。そこに所属するある兵士を追った本作の監督は『ハートブルー』や『K-19』等、“熱い男&カッコいい男&戦う男の描写”に定評のあるキャスリーン・ビグロー女史。ジャーナリスト兼、脚本家でもあるマーク・ボールが自らの従軍取材を元に執筆したという緊迫感ある脚本も素晴らしい。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
主人公3人組が行く先々で遭遇する任務もバラエティに富んでおり、まさにこの「イラク戦争」のダイジェスト・フィルムの趣向。特に砂漠の真ん中でレール付きのAKカスタムを携えたPMCと遭遇する場面や、900m近い距離を隔ててのバレットM82A1vs SVDによる狙撃戦には思わず手に汗握る。弾とマガジンに関する大慌てエピソード等は、もちろん実戦経験はない筆者だが、しょっちゅう直面するトラブルなので身につまされるし、あの状況でアレじゃあ……と思わせる美事な演出で感心した。
まあ唯一難点を言えば、エイムポイントの視野を通した一人称映像にかなりの高倍率がかかっていて、ダットもなかった事(笑)。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
さて、本来は爆弾処理にのみ駆り出されるのがこういうチームなのだろうが、リーダー、ジェームズの暴走により、M4-SOPMODやU.S.M9を駆使しての建物捜索シーンも頻繁に登場。その動きの良さもなかなかに見応えがある。
さらにレイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モースなど、映画ファンにはたまらない豪華実力派俳優陣が的確に脇を固め、作品を引き締めていたのも映画ファンとしては嬉しい限り。観客を瞬時に「戦場の目撃者」たる立場に置く迫力の映像は、かの『地獄の黙示録』や『ブラックホーク・ダウン』に比肩する臨場感。久々にオナカいっぱいの手応えを味わえる重厚な戦争大作だし、米軍装備ファンにもたまらない作品なのではないだろうか?

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
8割がた書き上げた所で他のページで先輩のライターさんが大きな特集を行う、との情報が入りましたので、「シネマノート」は急遽別の作品に差し替えた次第です。
せっかく書いたのでここで発表。本作『ハート・ロッカー』は今週末<3.6 sat>から公開です。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
永遠を思わせる戦場。
刹那を生きる男たち―――。
ハート・ロッカー
<作品DATA>
監督:キャスリーン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース
2008年/アメリカ映画/131分/原題:『THE HURT LOCKER』/配給:ブロードメディア・スタジオ
●3月6日(土)よりTOHOシネマズほかにて全国公開
http://www.hurtlocker.jp/
<STORY>
2004年夏。イラク、バグダッド郊外。アメリカ軍・爆発物処理班ブラボー中隊は、その日も市街に仕掛けられた爆弾の処理を行っていたが、退避しようとした瞬間に爆発が起き、リーダーの軍曹が殉職してしまう。
任務明けまであと38日を残したブラボー中隊新リーダーに就任したウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)はこれまでに873個の爆発物を処理しているというベテランだったが、基本的な安全対策も行なわず、死に対する恐れが全くないかのように振舞う。補佐に付くJ.T.サンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とオーウェン・エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は、一瞬のミスでいつ死ぬかもしれない緊張感をますます高め、ジェームズへの不信を募らせていく。
ジェームズは、虚勢を張るだけの命知らずなのか? それとも勇敢なプロフェッショナルなのか? そんな男たちの想いとは無関係に、激しい戦闘行為が繰り返される日常は続き、爆弾処理の毎日が過ぎていく。地獄の炎天下、姿なき敵との壮絶な死闘は続く――。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
<解説>
世界で最も危険な仕事=アメリカ軍の爆発物処理班。そこに所属するある兵士を追った本作の監督は『ハートブルー』や『K-19』等、“熱い男&カッコいい男&戦う男の描写”に定評のあるキャスリーン・ビグロー女史。ジャーナリスト兼、脚本家でもあるマーク・ボールが自らの従軍取材を元に執筆したという緊迫感ある脚本も素晴らしい。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
主人公3人組が行く先々で遭遇する任務もバラエティに富んでおり、まさにこの「イラク戦争」のダイジェスト・フィルムの趣向。特に砂漠の真ん中でレール付きのAKカスタムを携えたPMCと遭遇する場面や、900m近い距離を隔ててのバレットM82A1vs SVDによる狙撃戦には思わず手に汗握る。弾とマガジンに関する大慌てエピソード等は、もちろん実戦経験はない筆者だが、しょっちゅう直面するトラブルなので身につまされるし、あの状況でアレじゃあ……と思わせる美事な演出で感心した。
まあ唯一難点を言えば、エイムポイントの視野を通した一人称映像にかなりの高倍率がかかっていて、ダットもなかった事(笑)。

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
さて、本来は爆弾処理にのみ駆り出されるのがこういうチームなのだろうが、リーダー、ジェームズの暴走により、M4-SOPMODやU.S.M9を駆使しての建物捜索シーンも頻繁に登場。その動きの良さもなかなかに見応えがある。
さらにレイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モースなど、映画ファンにはたまらない豪華実力派俳優陣が的確に脇を固め、作品を引き締めていたのも映画ファンとしては嬉しい限り。観客を瞬時に「戦場の目撃者」たる立場に置く迫力の映像は、かの『地獄の黙示録』や『ブラックホーク・ダウン』に比肩する臨場感。久々にオナカいっぱいの手応えを味わえる重厚な戦争大作だし、米軍装備ファンにもたまらない作品なのではないだろうか?

© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved
Posted by Takeo Ishii at 00:24│Comments(1)
│映画レビュー
この記事へのコメント
こんばんは。
僕もハートロッカー見ました。
バレットの狙撃シーン、ドキドキしました!
女性の監督が撮ったと思えない男の映画でしたね。
さて、またまた急なお誘いで大変恐縮ですが、
今週の日曜日、10時からアソビットでPMCの練習を行う予定です。
もしも御都合がよろしければ、また御指導頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
僕もハートロッカー見ました。
バレットの狙撃シーン、ドキドキしました!
女性の監督が撮ったと思えない男の映画でしたね。
さて、またまた急なお誘いで大変恐縮ですが、
今週の日曜日、10時からアソビットでPMCの練習を行う予定です。
もしも御都合がよろしければ、また御指導頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
Posted by nakita at 2010年03月11日 23:53
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