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Takeo Ishii
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ライター、カメラマン、パフォーマー、射撃場アドバイザー、映画評論家
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2012年08月28日

『プロメテウス』私はこう思った。※ネタバレ警告※

『プロメテウス』私はこう思った。※ネタバレ警告※
©2012 TWENTIETH CENTURY FOX

細かい作品情報等は検索したら幾らでも出てきます。
ここ最近公開された映画では最も好き嫌いが別れ、ある人は「世紀の大傑作! 久々の宇宙生命哲学映画!」 と絶賛。他方、「ただグロいだけの駄作。」、「ストーリーにもキャラクター設定にも突っ込みどころ満載」とコキ下ろす意見も物凄い、久々の???な映画です。

もう公開もしたし、まあいいかな、って事で、私なりの解釈を書きます。
つまり、そんな事をしたくなるような映画だったのです。
こういう作品って、久々じゃないでしょうか?

ネットでは
“CMで散々煽っていた「人類の起源」をまったく描いていない”
“期待ハズレだった”
という感想やレビューの多い本作ですが、謎の答えが「コレ!」と判る形で明確に示される事は、リドリー・スコット監督作品なのでまずないだろう・・・と鑑賞前から想像していました。
私は純粋に、予告編で出てきた『エイリアン』1作目の「あの宇宙船」と、あの時はミイラだった「乗組員(=スペースジョッキー)」に心惹かれて観ました。当然、本作は『エイリアン』と何かが関係あるだろうという事も想像していました。

『プロメテウス』私はこう思った。※ネタバレ警告※
©2012 TWENTIETH CENTURY FOX
しかし思っていた以上に『エイリアン』1作目との整合性がない。
それも「エンジニア」たちは完璧なのに、「エイリアン」側のデザインや設定に食い違いが多い。しかもそれらが「わざと」だと思え、とにかく本作を観た人とそれらの解釈について色々話し合いたくなるような映画で、逆に私は大いに気に入りました。

厳しいご意見が多いのは、単純明快、すっきりキレイに答えが出ない満足できない…という現代的風潮のせいかと思われますが、そういえば昔のSF映画ってのはこんな風に謎だらけだったよなぁ、と、リドリー・スコット監督のいい意味での意地悪振りに微笑んでしまった位です。

『プロメテウス』私はこう思った。※ネタバレ警告※
©2012 TWENTIETH CENTURY FOX
この作品の真意を解釈をする上で注意しなければならないのは、『エイリアン』に登場したものと似てはいても、デイテールが違う事象・物体をひとつひとつ正確に認識することでしょう。

例えば舞台になる星は『エイリアン』1作目や『〜2』の舞台になった「LV426」とは別の星らしいという事。そして1作目で登場した「エイリアンの卵」を思わせるように並んでいた金属製のカプセルも、似てはいるけど全くの別物、だという事になります。あれはあの「エンジニア」たちが、野生種のエイリアン(※『エイリアン』のシリーズに登場する)の生態系を模して作った人工物だったのではないか、と私は考えました。
彼らは色々な星から採取してきた遺伝子で日々「生物兵器」の開発を行なっていたのでしょう。
そしてある時点で、彼らは遂に、過去類を見ないほどの「全宇宙最悪、かつ最凶に近い生物兵器」を生み出しました。それが原因で遂にあの惑星の研究所は閉鎖されたのですが、万が一「その生物」が高度な文明を手に入れ、自分たちの「起源」を探りに戻ってきた場合に備え、罠を仕掛けて1,000年以上も待っていた…のが真相だと思った次第です。

つまり人類こそが、「エンジニア」たちが自分たち似た姿に作った、好戦的で繁殖力も旺盛で頭も良い「最悪最強の生物兵器」だった。軌道修正のために何度も地球を訪れ指導してきたがそれもどうやら無駄に終わり、まあ、あんなだからそのうち自滅するだろう・・・と思っていたのにハイパースリープ可能な宇宙船で「前哨基地」まで進出してきてしまった。
だから気が付いたエンジニア(=前哨基地の担当者)は恐怖に駆られて目の前の人類をためらわず惨殺し、地球を破壊しようと慌てて旅立とうとした…のだと思います。

『プロメテウス』私はこう思った。※ネタバレ警告※
©2012 TWENTIETH CENTURY FOX
従って本作のラスト、ノオミ・ラパス演じる女性学者が彼らの星に向かった…という事は、人類に置き換えてみれば「エイリアンの女王が地球に接近中」、という位、彼らには脅威になるのではないでしょうか?

ちなみに人類を完全に抹殺…できないまでも、「これ以上の宇宙探索・宇宙進出」を思い留まらせるため、エンジニアたちは複数の惑星に「罠」を設置。LV426はその一つで、野生種のエイリアンを繁殖・定着させ、人類到着を待ち構える作戦だったのでは? というのが、現時点での私の世界観解釈です。「エンジニア」たちが目的のためなら個人の死などまったく意に介さない種族らしいことは、本作のオープニングシークエンスでも描かれます。

また、『エイリアン』シリーズにも引き継がれ繋がってゆくアンドロイドたちの性格や行動を推し量る上で、『ブレードランナー』もまた本作と繋がる同一の世界観にある作品、と捉えるのはどうでしょう。
「ウェイランド氏の遺言ホログラム映像」が上映される場面でのセットや照明、全体の雰囲気は、例のタイレル社長室とあまりにも似ていたではありませんか。

同じ様に「深く観た人」と長時間、じっくり語り明かしたい・・・と思う、久々の問題作でした。
ワケがわからないけど何だか凄い。
そういう映画を許せる人にはオススメします。私と話しましょう。



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Posted by Takeo Ishii at 14:08│Comments(1)映画レビュー
この記事へのコメント
虎穴堂 もじゃもじゃです!
私も石井さんと全く同じ理由で、先週見に行ってきました。
深くは観てはいませんが、気になる点をいくつか。
この映画は人類の起源ではなく、エイリアンの起源を描いていると思いました。続編がすでに企画中とのことですので、シンプルなプロメテ・エイリアンが、次回作で様々な変態の後、ギーガーが描いたエイリアンになるのでは??

また、エンジニアですが、あまりにも筋肉が発達しているのが不自然な感じがしました。
彼らも人類同様何者かの手により命を得た、生物なのかもしれません。もしかすると、エリザベスは「本当の」エンジニアに会うのかもしれない。そこで、本当の人類の起源が明かされるのかも??

劇中全く気付かなかったのは、タイレル社との相似。「ブレードランナー」、「エイリアン」とも見直し必須ですね。
アンドロイドも深く関係して、次回作は生命とは何ぞや?をりドリー・スコットは問うのかもしれませんね。

しまりのない文章、失礼致しました!
Posted by もじゃもじゃ at 2012年08月29日 20:06
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