2009年11月03日
沈まぬ太陽


しかし刊行当時に呼んでおけば良かったです。その頃は社会人1年生。もしこの本をその時読んでいれば、人生が変わっていた可能性があります。しかし主人公、恩地元(おんち はじめ)と同年代になった今だからこそ、より深く味わえる要素もあったのかもしれません。
巨大組織の非人間的なありかたや、政治家・官僚との癒着の構造等、今なお大きな社会問題を浮き彫りにし、良心や出処進退のありか、組織と個人の間にそびえる壁などさまざまなことを考えさせられる超大作です。
先程公開された映画は、1日の日曜日に家族と観てきました。3時間22分(!)と日本映画としては異例の長さですが、さりとて全5館にも及ぶあの長編小説をどうやってこの尺に収めるの? と思っていましたが、まあ、脚色や構成のうまい事! 感心してしまいました。
ちなみに渡辺謙さんがアフリカのシーンでハンティングに使うライフルがとてもいい感じでした。ボルト操作も滑らかで、道に入った雰囲気で。
原作者の山崎豊子先生も、
“自分の作品の映画で泣いたのは初めて……。渡辺謙さんの演技が素晴らしかった”
と、新聞のインタビューにお答えになっています。
ところでこの映画、大変長いので途中の10分間で休憩が入りますが、その時に流れるでバイオリンの曲が“とても良いなぁ~”と思っていましたら、これもオリジナル曲。
タイトルは『祈り<永遠の記憶>』だそうで、演奏を手がけたバイオリン奏者のダイアナ湯川さんは、1985年の日航機墜落事故でお父様を亡くされた方だそうです。
ともあれ、ミリブロ読者の皆様にも『沈まぬ太陽』オススメします。

いままたCOMBATとSATの締め切りクリアのための作業の真っ最中で、週末には静岡・掛川でJANPSもありますし、なかなか忙しくて参ってますが、一段落したら『不毛地帯』も読もうと思っています。1巻はもう読み終わって、妹に貸しました。
Posted by Takeo Ishii at 02:14│Comments(0)
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